とらぞうのおかち日記「1歩2歩散歩」SPECIAL
 2001年夢中の旅 
東海道五十三次


Vol.09
〜小田原宿→箱根宿〜
16.5km

画像2001年 8月12日(日)
歩行渡しの酒匂川を渡ると、2日目の宿泊地!だった小田原宿。 本陣が6軒もあり、宿場町としてはかなり大きかったみたい。 今でも神奈川県西部の中心地だけど、歩いていると“江戸”が発見できる。

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09:05 板橋のお地蔵さま

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09:20 箱根登山鉄道踏切

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09:25 風祭の「石高道」

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09:45 風祭一里塚跡

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10:35 三枚橋からの風景

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10:55 北条氏五代の墓

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11:10 正眼寺の鏃突石

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11:20 湯本一里塚跡

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12:45 割石坂

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13:00 大沢坂

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13:25 名産箱根細工

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13:30 畑宿一里塚

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14:55 霧の甘酒茶屋

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15:00 力餅とあべ川餅

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15:30 白水坂

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16:00 賽の河原

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16:10 箱根杉並木

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16:45 重文箱根関所跡

 今日はいつもよりハードな道のりなので、出発前に駅前のマック茶屋で腹ごしらえ。 で、8:30本町交.スタート。 前日が雨だったけど、今日は降らないで欲しいなぁ。
 左手に片岡本陣跡久保田本陣跡清水彦十郎本陣跡と続くけど標柱・案内板などはない。 その代わり、所々に旧町名が刻まれている石柱があるので、読みながら歩く。 右手にあるういろうは城下町ならでは?の店構え。 8:55JR&箱根登山鉄道の高架橋をくぐると、右手に大きなイチョウがある光円寺。 上方口見附跡、公衆トイレがある板橋見附交.を右折すると旧道。

 旧道に入ると落ち着いた住宅地。 右手に永録十二年(1569)湯本から移奉されたという板橋地蔵尊。 1月と8月の23日・24日の両日が縁日で、露店が400店ほど並ぶらしく賑やかそうだ。 すぐ先で合流してR1を歩く。 早川をはさんで左手、中腹に箱根ターンパイクが走る石垣山の山頂付近に、天正十八年(1590豊臣秀吉が築いた一夜城跡がある。

 小田厚高架下を右折して箱根登山鉄道の踏切を渡り、三叉路を左に旧道。 今は舗装道路だけど、『膝栗毛』で句の中に「石高道」と詠まれている風祭。 さっきの板橋とは別な雰囲気の家並みが続き、その違いが面白い。 塀・垣根がなく、道路からいきなり部屋に入れるような、いかにも旧街道沿いの家並み。
 途中左折して箱根登山鉄道風祭駅の先、箱根駅伝でおなじみ鈴廣本店(風祭245)で15分休憩。 ってゆーか、前回とら家で好評だったので「あげかま」をお買い物(デパ地下でも売ってるのに…)。

 旧道に戻ると右手に道祖神とセットになっている江戸から21里目の風祭一里塚跡。 少しずつ上り坂になっていく。 9:55右手稲葉氏の菩提寺紹太は寛永十二年(1635)の創建、寛文九年(1669)にこの地に移ったそうで、3代将軍徳川家光の乳母春日局の墓(稲葉正成の妻だから)、枝垂れ桜が有名だけど遠いのでパス。
 箱根登山鉄道入生田駅を過ぎるとR1と合流。 合流地点のミニストップ茶屋で20分休憩。 入生田駅は小田原市だけど、ミニストップ茶屋はもう箱根町。 さすが観光地でこの付近から案内板がある。 しかし内容と場所が一致してない?
 歩き出してみたもののR1は歩道がない!…と思ったら、階段を登って降りてまた旧道。 旧道が所々分断されてるんだ。 再度R1に合流してしばらくすると湯本中学校付近から歩道が石畳風になっている。 当時は小田原宿から三島宿までほぼ全域が石畳だったそうだけど、現在石畳が残っている坂はずっと先で、湯本付近には残っていないので箱根町はサービスがいい。

 R1を離れ、三枚橋で左折するとK732。 いよいよ箱根路ということで、酒屋の自販機前で10分休憩。 三枚橋を渡らずR1を直進すると、左手に鎌倉古道湯坂道の入口がある。 10:55右手に大永元年(1521)創建の後北条氏五代の菩提寺早雲寺。 境内の土が粘土質なので滑りやすいから気をつけて。 北条氏五代のお墓が薄暗かったので、写真がピンボケだった(泣)。 ここは町指定天然記念物であるヒメハルゼミの生息地でもある。

 左手に曽我兄弟ゆかりの正眼。 境内裏に突石がある。 意外と小っちゃい男女双対道祖神を過ぎると、右手に江戸から22里目の湯本一里塚跡。 向かいは旅籠、福寿荘。
 そしてK732が左カーブしている所に、11:25箱根路最初の石畳入口、観音坂。 実は、おら自身が石畳初体験なので感動するけど、苔むしていて滑りやすく歩きづらい。 前日雨だったし。 2車線の県道を通ってきたので石畳は狭く感じる。 当時はこの道幅でちゃんと参勤交代ができたのか? 下って猿橋を渡って上ってK732に合流。 観光地でお盆のためか、おらたち以外に旅人多数。
 山道ゆえの歩道のない県道歩き。 11:40葛原坂左手にファミマ茶屋。 ここが箱根東坂最後のコンビニなので、ペットボトルを買うために入ると、テーブル、イスがあるのでありがたい。 パンを食べながら25分休憩。

 12:30歌舞伎「箱根霊験躄仇討」のモデル、初花と勝五郎の墓がある鎖雲寺。 「仇討ち」というのは日本人の心の琴線に触れるのか?日本橋からここまで赤穂浪士、曽我兄弟、初花と「仇討ち」ゆかりの地が3ヶ所もある。 上り坂が続く。
 須雲川橋左手の女転ばし坂は崖崩れのため通行できないらしく、このままK732を歩く。 右手上り坂、割石坂には江戸時代当時の石畳が残ってる。 あっそぅ。 石畳の石って表面がザラついてるみたいだけど、江戸時代の石の表面は心なしかツルツルしてる感じがする。 石畳の両脇が排水溝だなんて、ちゃんと考えて作っているんだと感心しながら歩く。 道幅の心配をしたけど、狭かったのは観音坂だけだった。
 東京電力畑宿発電所の先、K732左手を下ったところが大沢坂。 こちらも江戸時代当時の石畳が残ってる。 下って橋を渡って、上る上る。 最後に階段を登るとK732に出るので視界が拡がる。

 間の宿・畑宿。 ホッとしてペットの水を飲み10分休憩。 右手の茗荷屋本陣跡や箱根細工の店を冷やかしながら歩く。
 畑宿のはずれ、左手の…左手・右手っていってもK732がジグザグになってるだけで、地図上では旧道はかたくなに(頑固という?)真っ直ぐだからね。 だからキツいんだよね。
 さて、左手の旧道を進むと木を頂いた三角山。 それは品濃以来の“跡”のつかない、江戸から23里目の畑宿一里塚! しかも埋もれていた塚を発掘して、平成十年(1998)に復元されたばかりなので、400年前とほとんど同じ姿を見ることができる。 凛々しい姿に頬ずりしたいよ、キュッキュッキュッ。 うれしくて15分休憩。

 そしてこれからは本格的な上り坂の西海子。 橿木を歩く頃は霧が出てきて坊ちゃん一緒に…じゃなくて、深山幽谷の世界。 つづら折りの「七曲がり」を歩いたり、階段を登ったり…そう、ここは“上り坂”じゃなくて“登り坂”です。
 東海道は「歩く」道だと思ってたけど、箱根越えは「登山」なので気をつけましょう。 途中何人かバテてる旅人がいたし。 おらたちも最初はしゃべりながら歩いていたけど、途中から坂の多さに呆れ果てなぜか笑いながら歩いて、最後はうつむいて無言になってしまう恐ろしさ。 前を向いて正気に戻るのは、すれ違う旅人とあいさつを交わす時くらい(あ、やっぱり登山だ)…。
 最後の急坂猿滑坂はK732の畑宿歩道橋でエンディング。 親鸞ゆかりのの平追込ではもう息が切れて、案内板を前に…ああ、もう難しいことはもう知んらんない! …。

 ヘトヘトになりながら左手箱根旧街道資料館・甘酒茶屋(畑宿395-1)に到着。 腹ペコなので資料館を10分で回ってしまった。 甘酒茶屋では力餅、あべ川・きな粉(青大豆)を注文(各450円)。 当時の旅人もここで一服したんだと、思いをはせながら25分休憩。

 元気をつけたところで甘酒茶屋の裏の於玉を進むと、K732を横切り白水天ヶ石。 上りきると今度は下りの権現坂
 15:45箱根馬子唄の歌碑に二子山の案内板。 「箱根八里は馬でも越すが」と言うけれど、実際歩いてみるとこんな急坂の石畳をよく歩いたと感心しちゃう。 馬にも頬ずりしてやりたい(笑)。
 R1に合流すると箱根二つ目の元箱根歩道橋。 目の前は、元和四年(1618)松平正綱が東海道改修の際に植えたという杉並木! すくすくと育った杉たちはカメラのフレームに入りきらない。 右手のケンペル・バーニー碑を過ぎたら車道と合流。 杉並木のために舗道がなく、交通量が多い分歩くのがおっかない。
 箱根神社一の鳥居があるR1合流地点の向かいに賽の河原。 思っていたより小さい。 この付近はP、遊覧船乗り場やお土産屋もあり観光客でいっぱいで、思いっきり江戸時代を歩いていたおらたちは現実の世界に引き戻されてしまった。

 芦ノ湖をかすめ、R1沿いに歩くと左手に旧道。 再び杉並木に突入。 こちらは歩行者専用道路になって安心だ。 「デカい杉だ」と感心して見上げて歩いていたら、うっかり葭原久保一里塚跡を見過ごしてしまった(泣)。 誰かおらの敵をとって!
 R1を横断し恩賜箱根公園のPに入ると…ガーン! 道がない! 今まで道路や線路のために途切れていても、迂回したり歩道橋で何とか旧道の道筋が分かったけど、Pの中に埋没していて悲しい…。 せめて道筋が分かるようにアスファルトをカラーリングしてほしい。 失意のうちに(ちょっと大げさ?)ベンチで10分休憩。

 時計を見たら箱根関所資料館箱根関所跡の閉館時間が迫る! 気を取り直し、早足で見学。 おかげ資料館でどんな展示物があったのか記憶に残ってない(泣)。
 左手の“実は足軽番所跡”に立つ“現在の関所跡”ではおらたちが最後の見学者らしく、係の人が“巻”で案内してくれた。 向かいの、元和五年(1619)に設置された“ホントの関所跡”は発掘の真っ最中で、平成十八年(2006)を目標に関所跡を復元するらしい。

 R1にぶつかり、右折するとR1の歩道歩きになるけど、やけに直線なのがあやしい…。 ホントは右手の元本陣はふや、箱根ホテルPの中が旧道じゃないのか?と横目で見ながら歩く。 P内に1本だけある楓は樹齢400年らしい。 箱根駅伝記念碑がある折り返し地点でボーっとする。 今夜は泊まりなので気が楽。
 R1に戻り、17:00箱根関所南交.で箱根東坂の旅を終える。 やっぱり今夜の旅籠、民宿にしむらで風呂上がりのビールでしょ。

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おまけ
所要時間(休憩除いた正味時間)8時間30分(約6時間20分)
万歩計の歩数30,814歩
喜多さんの歩数27,007歩
経費
箱根旧街道資料館70円
箱根関所・資料館(共通観覧券)300円

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